メジャーキーにおいて、V7と全てのセカンダリドミナントコード(sec.D)についての裏コード(代理コード)があるという考えが一般的に広まっているように感じます。

裏コードは代理コードの話しなので、元となるコードも、代理のコードも同じ系統のスケールが使えるはずです。

Key of C で考えると・・・
コード : A7(VI7)  裏の関係 Eb7(bIII7)
スケール: Aオルタード      Ebリディアンb7th = (Aオルタード)


しかしbVI7に関しては・・・
コード : D7(II7)  裏の関係 Ab7(bVI7)
スケール: Dリディアンb7th    Abリディアンb7th

それぞれがリディアンb7th(LYD7)スケールなので、まったく別のコードと言え、代理関係にあるコードとは考えられないです。(代理ならAbオルタードスケール=Dリディアンb7thスケールが自然なはずです。)

もし II7 - V7 - IM7 のようなコード進行が bVI7 - V7 - IM7 のようになっていれば II7の代理ではなく「置き換え」と考えると良いと思います。

今回のbVI7はサブドミナントマイナー(SDm)と解釈されるのが一般的でSDmの bVIM7 コードの M7 の音が b7 に変化した変化和音と考えられます。

対応するスケールで考えても bVIM7 はリディアンスケール(LYD)なので、7度の音を半音下げたリディアンb7thスケールがバッチリ当てはまります。

※注意:マイナーキーにおいては II7 は代理としての bVI7 が存在します。